診療科のご案内

内科(糖尿病・内分泌科)のご紹介

診療科の特色(専門分野等)
 糖尿病治療は近年目覚ましい進歩を遂げています。近年発売された薬剤には週1回であったり、インスリン分泌能を改善し、ダイエット効果が期待できる薬剤(GLP-1製剤)が登場しました。
 富山大学 医学部 代謝内分泌内科 戸邉 一之 教授発案のCPI(#1)研究の一環として、当科で臨床研究を行った結果(*6,*8,*9)、食後(随時)CPIという検査指標を用いる事で従来インスリン療法しか無いと考えられた2型糖尿病患者でも、食事療法/運動療法の見直しと薬剤適正使用により、経口薬だけで充分に血糖が改善する可能性が見出されました。
 加えて、当院でも1型糖尿病患者への持続皮下インスリン注入療法(CSII)導入やカーボカウント指導を応用したインスリン調整も行っており、地域の患者様に提供できる体制作りに努めております。
 更に、高齢糖尿病患者のサルコペニア(筋力低下)、認知症予防、介護予防として、2017年度, 魚津市加積地区公民館で, 第1回の出前「サルコペニア講演会」開催など、細やかながら病院独自の取り組みも行なっております。
 加えて、2017年9月10日(日)には、魚津市主催, 平成29年度 市民公開講座「正しく知って 悪化させない!! 糖尿病」に、講師、会場スタッフを病院より派遣、富山労災病院の枠を超え、地域に根ざした地域を支える病院として、近隣の地域づくりに対する富山労災病院の社会貢献事業に当科は率先して取り組んでおります。

 以前より新川地区における4疾患5事業を中心に据えた医療計画のもと新川地区の糖尿病連携パスが稼働していましたが、新病院稼働に伴い、糖尿病外来患者数が増大し、患者の皆様に診察まで長時間お待ちいただくなどご迷惑をお掛けする自体が常態化するに至りました。このことから2017年秋より「糖尿病重症化予防(病診)連携」を本格的に開始しております。
 具体的には、半年に一度、当院「糖尿病専門医」受診時に糖尿病合併症や血糖コントロールの状態を評価し、日頃の投薬継続ならびに、体調不良、感冒などの診療は地域の「かかりつけ医」でお願いするというものです。対象となるのは、内服薬の管理のみで十分血糖コントロール(A1c<7~8%:年齢により上限は変わる)がついている方々です。なお、治療に注射製剤を必要とする方々は対象外となります。
 ご不明な点は、当院糖尿病外来医師、日本糖尿病療養指導士、外来看護師、管理栄養士、地域連携室にお問い合わせください。

 更に、当院の日本糖尿病療養指導士を「とやま糖尿病療養指導士」講習会講師として派遣するなど、富山県の糖尿病医療レベルアップに貢献しつつ、紹介/連携先においても患者の皆様が十分な糖尿病療養指導が受けられるよう取り組んでおります。近々誕生する「とやま糖尿病療養指導士」制度の活用により、クリニック、調剤薬局などで、より良い糖尿病医療と合併症予防対策についての指導が受けられるものと存じます。

 肥満糖尿病治療に関しては、当院では以前より、肥満症専門医(富山大学 戸邉 一之教授)と治療担当医が定期的継続的なカンファレンスを行い、専門医指導のもと内科的肥満治療を行っております。
 実際、2017年には、体重142kg(BMI 60.3)の方に12週間の入院治療を受けていただき、体重112kg(BMI 47.8)へと30kgの体重減少を達成した患者もいらっしゃいます。2018年秋には富山大学医学部附属病院において肥満外科治療開始の見込みであり、条件適合の際には、富山大学と連携、肥満(糖尿病)外科治療目的に大学病院へ紹介を行う準備を進めております。

 甲状腺・内分泌疾患に関しても、当院では取り組みを強化しています。新川地区で発症した甲状腺患者さんの診療を常時行いつつ、稀で珍しい病状については日本甲状腺学会において継続的に発表(*3,*10,*11)しております。更に、患者数が極めて少ないながら副腎疾患についても診療を行い、稀な症例については研究会等で発表(*7)しております。
 なお、内分泌外科に関し、バセドウ病や甲状腺癌などの甲状腺疾患外科治療は、原則、当院 胸部呼吸器外科へ紹介の上、富山大学外科での治療となります。更にご希望に応じて、富山大学放射線科での甲状腺アイソトープ治療、県外甲状腺専門病院(隈病院, 伊藤病院)への紹介を行っています。副腎疾患では、クッシング症候群については、当院泌尿器科での治療となりますが、原発性アルドステロン症については、副腎動脈サンプリング検査が必須な方では富山大学附属病院代謝内分泌科へ紹介しています。

 当科は今後とも生活習慣病発症直前からご高齢まで、地域の皆様に安心頂ける、継続的で質の高い医療サービス提供を目標に、従来と変わらず取り組んで参る所存です。

 病診連携として、当院での診療をご希望の際には、患者様が日頃通っている、かかりつけ医の先生より紹介状、あるいは、生活習慣病が疑われる方、間もない方であれば、人間ドック・健診結果をご持参ください。


【診療内容】
糖尿病分野は
 基本的に日本糖尿病学会『かかりつけ医から糖尿病専門医・専門医療機関への紹介基準』(下記)に従いかかりつけ医の先生からご紹介ください(紹介目的明記の紹介状が必要です)

1.血糖コントロール改善・治療調整
 〇薬剤を使用しても十分な血糖コントロールが得られない場合、あるいは次第に血糖コン
  トロール状態が悪化した場合。
 〇新たな治療の導入(血糖降下薬の選択など)に悩む場合。
 〇内因性インスリン分泌が高度に枯渇している場合(1型糖尿病等)。
 〇低血糖発作を頻回に繰り返す場合。
 〇妊婦へのインスリン療法を検討する場合。
 〇感染症が合併している場合。
2.教育入院
 〇食事・運動療法、服薬、インスリン注射、血糖自己測定など、外来で十分に指導ができ
  ない場合。
3.慢性合併症
 〇慢性合併症(網膜症、神経障害、冠動脈疾患、脳血管疾患、末梢動脈疾患など)発症のハ
  イリスク者(血糖・血圧・脂質・ 体重等の難治例)である場合。
 〇上記糖尿病合併症の発症、進展が認められる場合。
 〇腎症については、腎機能低下やタンパク尿(アルブミン尿)がある場合は、腎臓病学会の
  “かかりつけ医から腎臓専門医・専門医療機関への紹介基準”を参照ください。
4.急性合併症
 〇糖尿病ケトアシドーシスの場合(直ちに初期治療を開始し、同時に専門医療機関への緊
  急の移送を図る)。
 〇ケトン体陰性でも高血糖(300mg/dl以上)で、高齢者などで脱水徴候が著しい場合 (高
  血糖高浸透圧症候群の可能性があるため速やかに紹介することが望ましい)。
5.手術
 〇待機手術の場合(患者指導と、手術を実施する医療機関への日頃の診療状態や患者デー
  タの提供が求められる)。
 〇緊急手術の場合(手術を実施する医療機関からの情報提供の依頼について、迅速に連携
  をとることが求められる)。

また、上記『かかりつけ医から糖尿病専門医・専門医療機関への紹介基準』に従いつつも、当科独自の取り組みとして
 1.糖尿病初発時の精査~教育入院と治療
 2.稀ながら見られる副腎疾患・膵腫瘍精査/鑑別診断(他科紹介)
 3.持続皮下インスリン注入法 (CSII) ・カーボカウント導入(1型糖尿病患者) ならび
   に、外来(通院)診療として(ただし、通院で困難な場合は入院):*2
 4.糖尿病合併症の外来精査(年に1回):*1,*4
 5.外来インスリン導入、外来GLP-lアナログ導入(又は入院導入)
 6.認知症合併糖尿病患者の薬剤調節・認知機能評価:村上担当
 7.肥満糖尿病の減量(GLP-1/SGLT2治療)
 8.肥満症内科治療(マジンドール治療, 栄養指導, 運動(心拍)処方):#2
 9.糖尿病食事指導
 10.糖尿病重症化予防(病診)連携としての半年~1年ごとの精査

内分泌・代謝疾患分野は、
 1.内分泌異常に伴う糖尿病精査(副腎・膵臓の精査):*7
 2.甲状腺機能異常の精査:*3,*10,*11
 3.脂質異常症治療と外来PCSK9阻害剤導入
 4.骨粗鬆症と外来PTH製剤導入, ビスフォスフォネート点滴

老年医学分野は(#3
 1.高齢者の栄義障害評価:村上担当:*5
 2.糖尿病高齢者の認知機能評価:村上担当

など、に取り組んでおります。


【施設認定を受けている学会】
 日本内科学会「教育関連施設」
 日本糖尿病学会「教育関連施設」
 日本病態栄養学会「専門医研修認定施設」


【学会発表/論文】
<2010年>
*1:村上史峰 戸邉一之ほか, 糖尿病患者における無症候性冠動脈病変に関する検討, 2010年, 第212
   回日本内科学会北陸地方会 (2型糖尿病, 大血管障害発症予測)
*2:村上史峰 戸邉一之ほか, カーボカウントを導入し得た脳出血後遺症、慢性肝炎、再生不良性貧
   血の1型糖尿病患者の1例, 2010年, 第13回日本病態栄養学会各術集会 (1型糖尿病, APS,
   C型肝炎, カーボカウント)

<2012年>
*3:村上史峰 戸邉一之ほか, 緩徐進行1型糖尿病患者で皮膚潰瘍・肺炎・低血糖昏睡を呈し、発作性
   心房細動から診断された多腺性自己免疫症候群3型の1例, 2012年, 第55回日本甲状腺学会学
   術集会 (バセドウ病, APS3型)
*4:村上史峰 戸邉一之ほか, 高齢2型糖尿病における頭部MRI・冠動脈MDCT所見に対する臨床検査
   の大血管障害予測因子としての可能性についての検討, 2012年, 第54回日本老年医学会学術集
   会 (2型糖尿病, 大血管障害発症予測)
*5:村上史峰 戸邉一之ほか, 血中葉酸濃度と冠動脈CTアンギオによる無症候性冠動脈病変および糖
   尿病合併症の関係についての検討, 2012年, 第15回日本病態栄養学会各術集会 (栄養障害, 大血
   管障害発症予測)

Minoru Iwata, Shihou Murakami, Kazuyuki Tobe et.al, Genetic risk score constructed using 14 susceptibility alleles for type 2 diabetes is associated with the early onset of diabetes and may predict the future requirement of insulin injections among Japanese individuals, Diabetes Care Aug;35(8), 2012 (遺伝リスクスコア, 2型糖尿病, 遺伝子による将来治療予測)

<2013年>
*6:村上史峰 赤川直次 戸邉一之ほか, 外来通院糖尿病患者での治療選択における空腹時・
   食後CPI,SUITの有効性についての検討,2013年,第56回日本糖尿病学会年次学術集会(CPI,
   2型糖尿病, 治療予測)
*7:村上史峰 戸邉一之ほか, 心不全兆候と著明な高血圧を認めた副腎疾患の1例, 2013年, 第220回
   日本内科学会北陸地方会 (BMAH症候群, コルチゾール過剰)

<2014年>
*8:村上史峰 赤川直次 戸邉一之ほか, 外来通院糖尿病患者での治療選択における食後Cpep,CPI,
   SUITの有効性についての検討(第2報),2014年,第57回日本糖尿病学会年次学術集会(CPI,
   2型糖尿病, 治療予測)

<2015年>
*9:村上史峰 赤川直次 戸邉一之ほか, 外来糖尿病患者での治療選択における随時CPIの有効性の検
   討(第3報) , 2015年,第58回日本糖尿病学会年次学術集会(CPI, 2型糖尿病, 治療予測)
*10:村上史峰 赤川直次 戸邉一之ほか, 治療中に出現した著明な貧血から診断に至った悪性貧血と早
   期胃がんを合併した自己免疫性多内分泌腺症候群3B型が疑われるバセドウ病の1例, 2015年,
   第58回日本甲状腺学会学術集会 (バセドウ病, APS3型)

<2016年>
Yutaka Kamura, Minoru Iwata, Shihou Murakami, Kazuyuki Tobe et.al, FTO Gene Polymorphism Is Associated with Type 2 Diabetes through Its Effect on Increasing the Maximum BMI in Japanese Men, PLOS ONE Nov.7, 2016 (FTO肥満遺伝子多型, 2型糖尿病, BMI)

<2017年>
*11:村上史峰 小澤由明 戸邉一之ほか, 甲状腺眼症をきっかけに診断に至ったMarine-Lenhart症候
   群の1例, 2017年, 第60回日本甲状腺学会学術集会 (バセドウ病, プランマー病合併)

<2018年>
Minoru Iwata, Shihou Murakami, Kazuyuki Tobe et.al, Ratio of low molecular weight serum adiponectin to the total adiponectin value is associated with type 2 diabetes through its relation to increasing insulin resistance, PLOS ONE Mar.1, 2018(アティポネクチン, 2型糖尿病, インスリン抵抗性)

【注釈】
#1:CPI (C-Peptide Index,Cペプチド指標)は膵臓のインスリン分泌能を評価する指標であり、
   CPI=ペプチド×100/血糖値の式から算出される。
#2:肥満症専門医(戸邉 一之教授)と治療担当医が定期的なカンファレンスを行い、肥満症専門医指
   導のもと治療を行います。条件が適合した際の肥満症/肥満糖尿病外科治療に関し富山大学と
   の連携を準備中です。
#3:老年病専門医、認知症専門医/認知症サポート医、病態栄養専門医/NSTコーディネーターが
   担当。ただし、生活習慣病を合併しない認知症だけでの診療は行っていません


外来診療
曜日
村上 3診 - 3診 初診 -
赤川 - - - - 2診
石木 - - - 3診 -
圓角 - 2診 - - -


診療スタッフ
糖尿病・内分泌科部長
村上 史峰 (むらかみ しほう)
【専門領域】
 学 位:医学博士
 内科学会 (総合内科専門医、指導医、認定医)
 糖尿病学会 (糖尿病専門医)
 病態栄養学会
  (病態栄養専門医、指導医、NSTコーディネーター)
 老年医学会 (老年病専門医、指導医)
 認知症学会 (認知症専門医、指導医)
 認知症サポート医(富山県)
 抗加齢医学会 (抗加齢医学専門医)
 人間ドック学会 (人間ドック健診専門医、認定医)
 プライマリケア連合学会 (認定医、指導医)
 病院総合診療医学会 (認定医)
 肥満学会会員
 内分泌学会会員
 甲状腺学会会員
 医師会 (健康スポーツ医、産業医)
 高齢者医療研修修了
 認定NST研修修了
赤川 直次 糖尿病・内分泌科医師(毎週金曜日)
赤川 直次 (あかがわ なおじ)
【専門】一般内科、糖尿病・内分泌
内科医師(毎週木曜日)
石木 学 (いしき まなぶ)
【専門】糖尿病・代謝内科
【資格】日本内科学会認定内科専門医
    日本糖尿病学会認定糖尿病専門医
とやま労災だより