病院概要

富山労災病院の理念・基本方針

理念

『私たちは、働く人々・地域の皆様に信頼され、愛される病院を目指します』

基本方針

『勤労者の健康管理と早期の職場復帰を支援します』
『地域の皆さまの健康に貢献します』
『患者さまの立場にたった医療を目指します』
『安全で質の高い医療を提供します』
『病院理念を実現するため、健全な経営を目指します』

院長挨拶

院長 平野典和

富山労災病院 院長
平野 典和

富山労災病院は昭和33年(1958年)に労働者健康福祉事業団(現在は労働者健康安全機構と改称)により開設されました。当時は富山県の電源開発にともなって多発した労働災害に対処することが主な目的でしたが、その後の社会構造の変化に対応して一般的な急性期病院として体制を整備してきました。現在では総合的な診療機能を有する病院として機能しております。
昨年から新型コロナウイルス感染症により世界中が激震に見舞われています。日本でも流行を繰り返し、いまだに沈静化の目途が立っていません。ここ1年余りの個々の健康被害はもちろんのこと社会的喪失は想像もつきません。この未曽有の危機にあたり我々医療関係者にはかつてないほど重い責任が課せられています。富山労災病院でも全力を挙げて検査・入院治療体制を整え、ワクチン接種にも取り組んできました。入院治療のために病棟の大幅な再編成を実施し、専用病棟を整備しました。また、ワクチン接種は国の先行接種機関に指定されましたので、院内医療従事者には早期に接種を開始しました。この間、接種実施上の具体的な問題点などを明らかにし、次に続く自治体や一般病院関係者に参考にしてい頂くことができました。さらに一般住民の接種にも積極的に参加し、多い時には週に600人にワクチンを投与しております。一方、新型コロナ感染の蔓延によって別の面で懸念すべき事態も起きてきているよう思われます。それは癌治療の開始遅延です。コロナ禍による受診控えや健診事業の停滞のためがんが進行した状態で発見される患者が増えてきていることです。これは多くの病院の関係者が実感していることで、深刻な問題となりつつあります。
さて、当院の一貫した理念は地域の皆様と働く人々から安心され信頼される病院であり続けるところにあります。特に救急患者さんは24時間対応できることを維持しております。また、地域の医療機関などと連携して入院から退院後の療養についても安心できる体制を整えております。日本の将来における人口の高齢化や独居世帯の増加などの現象は当魚津市ではさらに顕著です。10年後の日本の社会を先取りしているといっても過言ではありません。このような時代にあっては病院が単独で機能できることは限られており、地域の医療機関や福祉施設と密接な関係を構築し続けなくてはなりません。この機能を充実させるために令和2年から地域包括ケア病棟を新設しました。また、入退院支援センターを設置し、患者さんや家族が安心して治療に専念できる体制を充実させました。残念ながら、地域包括ケア病棟はコロナ感染治療のために一時的に休止していますが、コロナ感染が落ち着き次第再開したいと考えております。
また、労働人口の変化も顕著です。平成22年を境に日本の人口は急速に減少に転じていますが、働く人々の数は当面減少しないことが見込まれています。これは65歳を過ぎても働き続ける人や女性の就労人口が増加すると見込まれているからです。しかし、65歳以降となればがんや心臓あるいは脳卒中などの病気にかかる人が増加してきます。すなわち病気の治療をしつつ働く方が増えてくるということです。当院の重要な使命の一つが病気を抱えていても安心して働ける環境を作ることにあります。いわゆる両立支援の事業です。今後の人口や社会構造の変化はいろいろな意味でかつて日本が経験したことがない事態とされていますが、富山労災病院は今後も皆様に愛され信頼される病院であり続けるため努力いたします。

令和3年秋

富山労災病院

患者さまの権利

富山労災病院では以下に掲げる患者さまの権利を尊重します。

  1. 患者さまは、医師を始め全ての職種から人格を尊重され、丁寧で思いやりのある医療を受ける権利を有します。
  2. 患者さまは、病名・症状・検査や治療方法とその危険性、代替手段、経過や予後の見通し、薬の内容や副作用などについて充分な情報や説明を受ける権利を有します。
  3. 患者さまは、医療の情報や説明を理解した上で、自らの意思に基づいて治療方法等に同意・選択・拒否する権利を有します。
  4. 患者さまは、個人の秘密や診療に関する情報などのプライパシーを保護される権利を有します。

富山労災病院臨床倫理規程

富山労災病院は、患者の権利を尊重し、臨床の場における倫理の原則を下記の如く定め、患者にとって最良と思われる医療を平等に提供するよう心がける。その実現のため、個々の診療において発生する倫理的問題解決のためお互いの価値観を尊重しながら患者および家族との対話を重視するものとする。

  1. チーム医療のもと、医学的適応を確認し最良の医療を提供
    1. 患者の病歴、診断、予測される予後から治療目標を設定し、最も適切と思われる治療方法を示す。
    2. チーム医療を原則とし、他の専門医の意見を取り入れる。
  2. 患者の意向を尊重
    1. 検査や治療は「説明を同意」のもと始まるので、十分な説明と話し合いを行った上で、患者の意向に基づいて検査や治療方法を選択する。
    2. 患者に判断能力がない場合には、家族や代理人などによる代理決定を行う。
    3. 治療を拒否された場合はその理由を検討し、最善と思われる治療を一緒に考える。
  3. 患者の生活の質(QOL)を考えた医療を提供
    1. 治療との兼ね合いを考えながら、なるべく生活の質が保たれるよう患者と話し合いを行う。
    2. 在宅療法や緩和ケアなども必要に応じて計画し提示すること。
    3. 在宅で介護を担当されるご家族の負担を軽減するための話し合いを行う。
  4. 患者を取巻く状況を把握し医療に生かす
    1. 患者の治療に際して影響を及ぼす家族の問題について考え医療活動に生かす。
    2. 患者の経済状況や宗教に関しても納得のいく方法を考える。
    3. 医薬品やベッドなどの医療資源は、患者の病状を考慮した上で公平に患者に分配する。
    4. 医療者には患者の病状に関する秘守義務がありこれを遵守する。
      これを破棄せざるを得ない場合は、その正当性を確認する。
  5. 倫理委員会での審議結果に従った医療を提供

※QOLとは
quality of life(生活の質)の略で、人間の生活を量的にのみとらえるのではなく、精神的な豊かさや満足度も含めて、質的にとらえる考え方で、患者が評価できるものである。

手術治療情報データベース事業(NCD)への参加について

当科は、一般社団法人National Clinical Database(NCD)が実施するデータベース事業に参加しています。この事業は、日本全国の手術・治療情報を登録し、集計・分析することで医療の質の向上に役立て、患者様に最善の医療を提供することを目指すプロジェクトです。この法人における事業を通じて、患者様により適切な医療を提供するための医師の適正配置が検討できるだけでなく、当院が患者様に最善の医療を提供するための参考となる情報を得ることができます。何卒趣旨をご理解の上、ご協力を賜りますようお願い申し上げます。詳しくは下記NCDの患者様向け資料をご覧ください。

National Clinical Database(NCD)
 専門医制度と連携したデータベース事業について 

登録対象診療科
 外科泌尿器科脳神経外科整形外科循環器内科

富山労災病院臨床研究倫理規程

臨床研究とは、「疾病の予防方法、診断方法および治療方法の改善、疾病原因および病態の理解ならびに患者の生活の質の向上を目的として実施される医学系研究であって、人を対象とするもの」をいう。
臨床研究を行う際に最も重要なことは人権の保護であり、世界医師会が発表したヘルシンキ宣言の中に詳しく記されている。また日本では平成16年12月に厚生労働省が「疫学研究に関する倫理指針」、「臨床研究に関する倫理指針」を告示している。さらに学会も独自に倫理指針を発表しており、当院での臨床研究の被験者の生命、健康、プライバシー、尊厳を守るというこれらの倫理指針に則って行う。

臨床研究を実施するための必須条件

  1. 倫理的かつ科学的に適正な臨床研究計画書を作成し、それを遵守すること。
  2. 臨床研究に関わるものから独立した委員会(倫理委員会)で臨床研究計画書および被験者への同意説明文書が審議され承認されること。
  3. 研究に先立ち、被験者から適正なインフォームド・コンセントが文書で得られること。被験者が経済上または医学上の理由により不利な立場にある時は、被験者の自由意志の確保に十分配慮すること。
  4. 被験者の安全を優先し、病状の悪化などを認めた場合は研究を中止すること。

臨床研究計画書

原則として以下の事項を記載する。

  1. 被験者の選定方針
  2. 当該臨床研究の意義・目的・方法・期間、研究に参加することにより期待される利益及び起こりうる危険
  3. 個人情報の保護の方法
  4. 共同臨床研究機関の名称
  5. 研究者等の氏名・職名
  6. インフォームド・コンセントを受けるための説明事項及び代諾者を含めた同意文書、同意撤回書
  7. 当該臨床研究に伴う補償の有無
  8. 当該臨床研究に係る資金源

臨床研究を行うにあたって被験者または代諾者に対する説明事項

  1. 当該研究の意義・目的・方法・期間。
  2. 研究者等の氏名・職名。
  3. 被験者として選定される理由。
  4. 当該臨床研究に参加することにより期待される利益及び起こりうる危険性。
  5. 個人情報は保護されること。
  6. 個人情報の取り扱い、提供先の機関名、提供先のおける利用目的が妥当であること等について倫理委員会で審査した上で、当該臨床研究の結果を他の機関へ提供する可能性があること。
  7. 当該臨床研究に係る資金源。
  8. 当該臨床研究に伴う補償の有無とその内容。
  9. 被験者及び代諾者などの希望により、他の被験者の個人情報や当該臨床研究の独創性の確保に支障がない範囲内で、この研究の計画や方法についての資料を入手または閲覧することができること。
  10. 当該臨床研究の成果により特許権などが生み出される可能性があること及びその場合の帰属先。
  11. 被験者を特定できないようにした上で、当該臨床研究の成果が公表される可能性があること。
  12. 当該臨床研究への参加は任意であること。
  13. 当該臨床研究への参加に同意しないことをもって不利益な対応を受けないこと。
  14. 臨床研究の途中であっても、不利益を受けることなく撤回できること。
  15. 被験者からのインフォームド・コンセントを受けることが困難な場合には、当該臨床研究の重要性及び被験者の当該臨床研究への参加が当該臨床研究を実施するに当り必要不可欠な理由を記載しておく。
  16. 問い合わせ、苦情などの窓口連絡先などに関する情報。

輸血に対する考え方

  • 当院は、「輸血を拒否する患者に対して無輸血での治療を原則とするが、輸血無しでは生命の維持が困難となった場合は輸血を行う」相対的無輸血を方針とします。
  • エホバの証人の方が提示する「免責証書」等、絶対的無輸血治療に同意する文章には署名をいたしません。
  • 宗教的に輸血を拒否する患者に対して輸血が必要な場合は、当院ガイドラインおよびフロ-チャートに沿って進めますが、時間外で1名の医師しか在席しない場合は、患者の医療に関する判断能力の評価については看護師を含めた複数名で行う事とします。
  • エホバの証人医療機関連絡委員会について
    患者がエホバの証人である場合は、教団に上記委員会が存在し、信者と医療機関との橋渡しを行っています。転院先等について患者と同意の上で相談を行う事も可能です。

リンク:輸血マニュアル「宗教的輸血拒否に関するガイドライン」

当院の臓器提供に関する方針

富山労災病院は、患者の意思を尊重するという方針に基づき医療を行っており、終末期や死に際しても患者の意思が尊重されるべきと考えています。

患者さんや御家族から臓器提供の意思表示があった場合、その御意思に沿えるよう院内体制を整えております。
なお、入院の際、「臓器提供意思表示」の有無を確認しております。

当院では3名の院内コーディネーターが、ご質問やご相談をお伺いしております。
*外来の方は「1階皆さまの相談室」でご相談ください。
*入院の方は各病棟師長へご相談ください。

病院の特色

魚津地区唯一の公的病院として医師会と連携を取りながら、相互に補完する形で各診療科を整備しており、地域の人達に医療を通しての福祉に貢献できるように、診療体制の充実を図っています。

また、労災病院として担うべき役割を果たすため、労災患者の治療やリハビリテーションおよび勤労者の作業関連疾患への対応や健康管理に積極的に取り組んでいます。さらに、地域住民全体の医療ニーズにこたえる地域の中核病院としての役割を果たすため、PET/CT装置、心臓血管連続撮影装置をはじめ、MRI・高速CT・リニアック治療装置、アイソトープ使用のガンマカメラ診断システム、各種の超音波画像診断システムなどの最新鋭機器を導入し、常に的確な診断と適切な治療を提供するよう不断の努力を重ねています。

一方、地域医療圏の二次救急体制の病院群輪番制病院として、救急医療への100%対応を目標に尽力しています。

 主な施設認証・機器